横川医院だより

暑さだけじゃない!「湿度」にも注意しましょう

~熱中症・食中毒・カビから身を守る夏の健康管理~

8月は一年の中でも暑さが厳しく、体調を崩しやすい季節です。今年は特に、気温だけでなく「湿度の高さ」が気になる日も多いのではないでしょうか。

蒸し暑い日は、なんとなく体がだるい、疲れが取れない、食欲がない……と感じることがあります。実は夏の健康を考えるうえでは、気温だけでなく「湿度」も大切なポイントです。

湿度が高いと熱中症になりやすい?

人の体は暑くなると汗をかき、その汗が蒸発するときに体の熱を逃がしています。しかし湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体の中に熱がこもりやすくなります。

そのため、「気温はそれほど高くないから大丈夫」と思っていても、湿度が高い日は注意が必要です。熱中症の危険度を示す「暑さ指数(WBGT)」にも、気温だけでなく湿度や日射・輻射熱などが取り入れられています。

めまい、立ちくらみ、大量の汗、頭痛、吐き気、強いだるさなどは熱中症のサインです。まずは涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、体を冷やして水分を補給しましょう。呼びかけへの反応がおかしい、まっすぐ歩けない、意識がない、自分で水分を飲めない場合には、すぐに医療機関への受診や救急要請が必要です。

「暑い日」だけでなく「蒸し暑い日」にも警戒することが大切です。

高温多湿は、食中毒にも要注意

夏にもう一つ注意したいのが食中毒です。高温・多湿になる夏場は、O157などの腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ属菌など、細菌による食中毒が起こりやすくなります。8月は厚生労働省が定める「食品衛生月間」でもあります。

食中毒を防ぐ基本は、

① 菌を「つけない」
② 菌を「増やさない」
③ 菌を「やっつける」

の3つです。

調理前や生肉・魚を触った後にはよく手を洗う、食品を室温に長時間置かない、購入した生鮮食品は早めに冷蔵庫へ入れる、肉や魚は中心まで十分に加熱する、といった基本をもう一度確認しましょう。特に作り置きのカレーや煮物などは、鍋のまま長時間室温に置かず、早く冷まして冷蔵保存することが大切です。

「カビが生えたところだけ取れば大丈夫」は危険です

湿度が高くなると、家の中や食品ではカビも発生しやすくなります。

ここで注意したいのは、カビと細菌性食中毒は同じものではないということです。しかし、カビの中には「かび毒(マイコトキシン)」という健康に悪影響を及ぼす物質を作るものがあります。

パンや餅などにカビを見つけたとき、「そこだけ取り除けば食べられる」と考えることがありますが、目に見えない部分までカビが広がっている可能性があります。また、かび毒の中には通常の加熱では十分に分解されないものもあります。カビが生えた食品は、無理に食べず処分しましょう。

室内のカビも、アレルギー症状や喘息などと関係することがあります。エアコンを上手に利用しながら、換気や除湿を行い、浴室・洗面所・押し入れなど湿気がたまりやすい場所にも注意しましょう。

夏を元気に乗り切るために

夏の健康管理では、「温度」だけを見るのではなく、「湿度」にも目を向けることが大切です。

エアコンや除湿を上手に使う、こまめに水分をとる、食品を長時間室温に置かない、そしてカビを放置しない――。どれも特別なことではありませんが、毎日の小さな心がけが熱中症や食中毒などの予防につながります。

まだまだ暑い日が続きます。無理をせず、食事・睡眠・水分補給を意識しながら、元気に夏を乗り切りましょう。