Q. 肥満とメタボリックシンドロームは違うのですか?
A. 必要以上の脂肪が身体についている状態を「肥満」といいます。脂肪の蓄積状態は、BMI(Body Mass Index)という数値を使って判断します。BMIの数値「22」を標準とし、「25」以上を肥満と判断します。これに対しメタボリックは、内臓脂肪型肥満に焦点を絞り、内臓脂肪が溜まった状態と関係があるウエスト(腹囲)を最も大きな判断基準としています。(目安:ウエスト回り男性85cm以上・女性90cm以上)
また肥満は、肥満に伴って生じる糖尿病や高血圧症、脂肪肝、通風などの改善のために治療の対象となることがありますが、メタボリックシンドロームは病気ではなく、「病気の予備軍]としての意味合いが強くなります。
Q. メタボリックの判断基準はウエストだけですか?
A. 内臓脂肪の蓄積として、ウエスト周囲は大変大きな判定基準になりますが、それ以外にも次のような基準があります。
●内臓脂肪蓄積・・・
必須項目として、男女ともに内臓脂肪面積100平方cm以上の内臓脂肪の蓄
積、ウエスト周囲長に置き換えると、男性で85cm以上、女性で90cm以上。
この必須項目に加えて、以下の3つの中から2つ以上該当がある人がメタボリック症候群とみなされます。
●糖代謝異常(糖尿病)・・・
血糖が空腹時高血糖110mg/dl以上
●高血圧・・・
拡張期血圧85mmHg以上、もしくは、収縮期血圧が130mmHg以上
●脂質代謝異常(高脂血症)・・・血中脂質が高TG(中性脂肪)血症150mg/dl以上、もしくは低HDLコレステロール血症40mg/dl未満
また、内臓脂肪蓄積の対象にならない場合でも、BMI(体格指数)が25以上の方はメタボリック・シンドロームになる危険性を持っている可能性がありますので、思い当たる方は注意しましょう。
Q. メタボリックにならないための予防はどういうものがありますか?(食事編)
A. 内臓脂肪は増えやすく減りやすいという性質をもっています。このため、食べ過ぎや運動不足など、不健康な生活をおくラ内容に注意しましょう。
食生活については次のような点に気をつけましょう。
◾高カロリー食を控え目にし、摂取カロリーを抑制する
◾摂取コレステロール、飽和脂肪酸を制限する
◾濃い味付けを控え塩分控えめの薄味にする
◾食物繊維の摂取量を増加させる
◾よく噛んで時間をかけて食事する
◾夜食をひかえる
◾脂肪になりやすいアルコールもほどほどにする
◾禁煙する
Q. メタボリックにならないための予防はどういうものがありますか?(運動編)
A. 有酸素運動には体脂肪を燃焼させる効果があります。毎日10分以上行うと脂肪が燃焼し、体脂肪を減らすことができます。また、無酸素運動の筋力トレーニングなどは、基礎代謝量がアップする効果があります。日常、仕事などで運動に時間を費やすことは難しいと思うので、通勤や移動中にできるだけ早く多く、歩くようにし、休日には短時間でよいのでからだを動かす事をこころがけましょう。
◾早歩きやエアロビクス、水泳などの有酸素運動を毎日10分以上行う
◾筋力トレーニングやダンベル体操などの無酸素運動を行う
Q. メタボリックシンドロームの検査はどこでできますか?
A. 2008年4月から国民健康保険を運営する市区町村、企業の健康保険組合などといったところでメタボリック検診の採用が義務付けられました。、40歳~74歳の健康保険加入者は必ず受ける必要があります。大田区では、大田区国民健康保険に加入されている、対象年齢の方へ受信券をお送りしています。(詳しくは大田区ホームページへ)その特定健康診査受診券・特定健康診査受診票・国民健康保険被保険者証を区内実施医療機関へお持ちいただくことで、検査を受けることができます。企業にお勤めの方は、所属している健康保険組合から渡される受診券をお持ちください。(詳細は各健康保険組合にお問い合わせください)
当院は大田区内実施医療機関になっております。また、企業様の検診もお受けしております。
最新の超音波機器(エコー)を導入して、頚動脈検査を行うことが出来るようになりました。
この検査によって動脈硬化が観察されると、脳や心臓なども同様に動脈硬化を起こしていると推測
できるため、脳梗塞や心筋梗塞の予防に役立てることが出来ます。