横川医院だより

秋の食中毒にご注意ください

秋は、味覚の季節。きのこや果物、サンマなど旬の食材が並び、運動会や紅葉狩りでお弁当を囲む楽しみも増えます。

涼しくなったからと安心しがちですが、実は秋にも食中毒は少なくありません。

代表的な原因菌には、鶏肉や卵に潜むサルモネラ菌、生魚に付く腸炎ビブリオ、作り置きのおかずやおにぎりで増える黄色ブドウ球菌などがあります。さらに冬にかけてはノロウイルスによる胃腸炎も増加します。これらは下痢や嘔吐、発熱を引き起こし、高齢の方や小さなお子さんには重症化の心配もあるため、予防が大切です。

食中毒対策の基本は「清潔・加熱・冷却」です。

  • 清潔:調理前後の手洗いを石けんで丁寧に行いましょう。包丁やまな板は肉用・魚用・野菜用に分けると安心です。
  • 加熱:肉や魚は中心までしっかり火を通しましょう。特に鶏肉や貝類は十分な加熱が必要です。
  • 冷却:調理後はできるだけ早めに食べ、残りは冷蔵庫へ。お弁当には必ず保冷剤を添え、直射日光を避けて持ち運びましょう。

お弁当は、保冷材も大切ですがまずは良く冷ましておくことが前提です。

お弁当の冷まし方のコツ

1. 粗熱をしっかり取る

  • 炊きたてのご飯や調理したおかずは、すぐに詰めずに粗熱を取る
  • ラップを外して、皿に広げると冷めやすいです。
  • 扇風機やうちわで風を当てると、さらに早く冷めます。

2. お弁当箱に詰めた後も冷ます

  • 詰めた後は、フタをせずに冷ますのが基本。
  • 湯気がこもると雑菌が繁殖しやすくなるため、完全に冷めてからフタをする

3. 冷却グッズを活用する

  • 保冷剤や冷却プレートを使いましょう。秋でも必須です
  • 保冷バッグに入れて持ち運ぶと、温度上昇を防げます。

4. 冷蔵庫で冷ますのは注意が必要

  • 熱いまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がって他の食品に影響することも。
  • 常温で粗熱を取ってから冷蔵庫へがベスト。

また、ノロウイルスはごく少量でも感染するため注意が必要です。吐物の処理をする際は、マスクと手袋を着け、処理後は家庭用漂白剤を薄めた液で床や衣類を消毒すると安心です。

秋の味覚を安全に楽しむためには、ほんの少しの工夫がご家族の健康を守ります。体調に変化があるときは、どうぞ無理せず早めに受診してください。健やかに実りの季節をお過ごしいただけますように。