新年になり、しばらく寒い日が続いていましたが、ここ数日は春のような温かさで心が安らぎますね。しかし街の中ではインフルエンザやコロナが流行し、まだまだ体調管理をしなければなりません。特に、冬場はあまり発生しないと思いこみがちなノロウィルスによる「食中毒」が増加するのもこの時期です。
国立感染症研究所の統計では、1月から2月にノロウィルスの食中毒が多く発生しています。ノロウィルスは加熱によって死滅しますが、生ガキや刺身など、冬に美味しい貝類を食べて感染する人が増えるのです。人の腸で増えたノロウィルスが下水から海に流れ、二枚貝の中で凝縮され、またその貝を食べてしまうという流れです。
ノロウィルスの食中毒は、嘔吐、みぞおちの痛みといった胃の症状と、水のような下痢、腹痛などの腸の症状です。このような症状がでたら、かかりつけの医院を受診しましょう。ノロウィルスの増殖を抑える治療薬はないので、あくまで対処療法になります。水分は、「ペットボトルのキャップ程度の少量を、回数多くとる」ことをお勧めしています。少しだけの水分摂取で何度も吐いたりしてしまう場合は、制吐剤を処方してもらったり、点滴をする必要ある場合も考えられます。
家族の誰かが感染した場合には、家族内で感染を広げないために、
・胃腸炎の方を介抱したらその都度手を洗う
・食事や水分を摂取する前に手を洗う
を必ず行ってください。ノロウィルスはアルコールでは対応できないので、嘔吐物や糞便の処理、便座などの消毒には次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤を用いる必要があります。
<ノロウィルス対策!塩素系漂白剤を用いた消毒液>
1嘔吐物・糞便の処理には、約0.1%濃度の希釈液を作る
(500mlのペットボトルの水に市販の塩素系漂白剤10mlを入れる)
2調理器具、トイレのドアノブ、便座、衣類などの消毒には、約0.02%濃度の希釈剤を使用する
使用時の注意:手指の消毒には使用しない。酸素系のものと混ぜない