食中毒には気を付けて Part2
冬の食中毒の代名詞といえばノロウィルスです。前回は、ノロウィルスに感染してしまった際の対処方法をご紹介しました。
今回は、どのタイミングで受診したらよいのかについてご説明します。
食中毒の主な症状は、嘔吐、みぞおちの痛みなどの胃の症状と、水のような下痢、腹痛などの腸の症状です。このような症状が当てはまったら、かかりつけ医を受診してください。胃の症状がある場合、そのほとんどはウィルスからの感染が原因ですが、血便が出る場合は細菌性の可能性があります。また、右の下腹部に痛みがある場合は、虫垂炎が疑われます。
ノロウィルスなど、感染性胃腸炎の場合は、特に治療薬がないので対処療法となります。水分をとる必要がありますが、その場合はペットボトルのキャップ程度の少量の水分を何度も何度もとるようにしてください。少量で細かく水分をとっても何度も吐いてしまうようならば、制吐剤を処方してもらったり、点滴をする必要があります。
また、家庭内で感染を広げないことも大切です。
- 胃腸炎の方を介抱したらその都度手を洗う
- 食事や水分を摂取する前に手を洗う
ことを徹底してください。
また、ノロウィルスはアルコールでは対応できません。嘔吐物や糞便の処理などの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤を用いてください。

国立感染症研究所の統計では、ノロウィルスによる食中毒は11月から増加し、1~2月に多くなると報告されています。寒いから大丈夫と軽く考えず、注意してお過ごしください