横川医院だより

気温が上がる季節に注意したい「食中毒」

5月になると、日中は汗ばむような日も増えてきます。
この時期から少しずつ注意したいのが「食中毒」です。

食中毒というと真夏のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は気温や湿度が上がり始める5月頃から、細菌が増えやすい環境が整い始めます。特に、お弁当や作り置き、バーベキューなど、食べ物を持ち歩く機会が増える季節でもあるため、注意が必要です。

食中毒はなぜ起こるの?

食中毒は、細菌やウイルス、有害な物質などが付着した飲食物を口にすることで起こります。

特に多いのは、細菌による食中毒です。
細菌は「温度」「湿度」「栄養」の条件がそろうと急速に増殖します。

例えば、

  • 調理後の料理を長時間常温で放置する
  • 生肉や魚を触った手や調理器具を十分に洗わない
  • 冷蔵保存が不十分
  • 疲労や睡眠不足で体力が落ちている

こうした条件が重なると、食中毒が起こりやすくなります。

また、食中毒は「少しお腹を壊しただけ」と軽く考えられがちですが、症状が強い場合には脱水や高熱を起こし、高齢者や小さなお子さんでは重症化することもあります。

食中毒にはどんな種類がある?

食中毒にはいくつかの種類があります。

① 細菌性食中毒

代表的なものに、

  • 腸炎ビブリオ
  • サルモネラ菌
  • カンピロバクター
  • 黄色ブドウ球菌

などがあります。

特にカンピロバクターは、加熱不足の鶏肉などで起こることが多く、近年よくみられます。
「少しくらいレアでも大丈夫」と思ってしまいがちですが、十分な加熱が重要です。

② ウイルス性食中毒

冬に多いノロウイルスが有名ですが、年間を通して注意が必要です。

感染力が非常に強く、調理する人の手指から広がることもあります。
手洗いが基本になります。

③ 自然毒による食中毒

毒キノコやフグなど、自然界に存在する毒によるものです。

山菜採りの季節には、見分けが難しい植物による食中毒も毎年発生しています。
「たぶん大丈夫」で食べないことが大切です。

家庭でできる予防のポイント

食中毒予防の基本は、

  • つけない
  • 増やさない
  • やっつける

の3つです。

「つけない」

調理前や食事前には石けんでしっかり手洗いをしましょう。
包丁やまな板は、生肉用と野菜用を分けると安心です。

「増やさない」

作った料理はできるだけ早く食べ、保存する場合は冷蔵庫へ。
特に5月以降は、室温でも細菌が増えやすくなります。

「やっつける」

肉や魚は中心部までしっかり加熱することが重要です。
電子レンジ加熱では、加熱ムラにも注意しましょう。

外食で気をつけたいこと

外食は楽しい時間ですが、食中毒予防の視点も大切です。

まず、「生焼けかな?」と思ったら無理に食べないこと。
特に鶏肉やハンバーグなどは注意が必要です。

また、

  • 長時間常温で置かれている料理
  • 衛生状態に不安を感じる店
  • 体調が悪い時の生もの

などにも注意しましょう。

さらに、食べ放題やバーベキューでは、トングの使い分けも重要です。
生肉をつかんだトングで焼けた肉を触ると、細菌が付着してしまうことがあります。

これからの季節を元気に過ごすために

食中毒は、少しの注意で防げることが多い病気です。
「手洗い」「十分な加熱」「早めの冷蔵保存」という基本を意識するだけでも、リスクは大きく下げられます。

これから気温や湿度がさらに高くなる季節を迎えます。
毎日の食事を安心して楽しむためにも、ぜひご家庭でも食中毒予防を心がけてみてください。